ECサイト決済における「後払い」ってどんな種類があるの?メリットや特徴をチェック

国内でキャッシュレス決済が躍進していく中で、ECサイト業界で再度注目を集めているのが「後払い決済」
普段からクレジットカードを利用している方は後払い決済に目を向けることも少ないと思いますが、平成28年に総務省が公開している「信利用動向調査(世帯編)」では、“インターネットで購入・取引する際の決済方法”で1位のクレジットに次いで2位となっているほど人気の決済方法となっています。

(出典:平成28年通信利用動向調査(世帯編) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201600_001.pdf)

では、なぜこれほどまでに後払い決済が注目を集めているのでしょうか。

少し前のECサイトにおける後払い決済では、商品到着後の商品へのクレームや支払い忘れ、資金の目処が立たなくなったなどの理由で支払いをしないといった、いわゆる“未回収リスク”がつきものでした。そのため、事業者側もできる限り後払い決済の導入を避けていたのが現実です。しかし近年では決済代行会社が購入代金の立て替え払いをしてくれることが当たり前となり、事業者は未回収リスクを心配する必要がなくなったのです。

一方で消費者は日常でキャッシュレス決済を利用する機会も増えましたが、ネットショッピングではプライバシー情報の流への危機感から、あらゆるサイトでクレジットカード情報を入力することに対して不安を持っている方もいます。更に、海外のサイトから商品を購入する場合などに商品を実際に見てから入金したいと考える方も少なくないため、決済方法を選択する際に後払い決済を選ぶ方も多いようです。

そこで今回は、今注目を集めている後払い決済サービスの特徴や違いなどを紹介していきます。

NP後払い

「NP後払い」は株式会社ネットプロテクションズが提供しているBtoC通販向け後払い決済サービスです。ネットプロテクションズではNP後払いの他に、BtoCサービス向け「NP後払いair」や、BtoBサービス向け「NP掛け払い」を提供しており、与信制度の高さや安定性、柔軟性を強みとしています。
導入企業数は41,500企業、累計1億件以上の取引に利用されており、年間利用者は1,350万人。なんと、日本国内の10人に1人が利用していることになります。

NP後払いは商品到着後に郵送される請求書を使用し、コンビニ・銀行・郵便局・LINE Payいずれかで支払いが可能。

サポート力が強いのも特徴のひとつであり、導入前は事業者の課題をヒアリングし、決済のみに留まらず通販運営全体の課題をブラッシュアップして収益に繋がるようサポートします。導入後には消費者のNP後払い利用金額に応じてポイントを付与。ポイントを使用して様々な体験ができるNP会員向けサイト「NPポイントクラブ」は会員数250万人を超えており、加盟店には売上アップが期待できる販売促進メニューも用意してあるなど、導入前から導入後までしっかりとサポートしてくれます。

さらにCSV連携やショッピングカート連携、システム連携も利用でき作業効率もアップ!
気になる料金面ですが、これだけのサービスが充実していて初期費用は全プラン無料!月額固定費は0円〜48,000円で、1取引とごに請求書発行郵便料金で190円と、取扱額に応じた最適なプランを選べます。

NP後払いは多くの大手企業に採用されていることから豊富な導入実績もあります。「会社のブランドを崩したくない」「自分の会社に合ったサポートをしてほしい」「海外に本社がある」といった企業にもおすすめです。

@払い(スコア後払い)

「@払い(あと払い)」は、2018年後半に設立された株式会社SCORE(スコア)のBtoC通販向け後払いサービスです。
株式会社SCOREは、決済事業を提供するベリトランス株式会社の豊富なノウハウや開発体制と、総合通信販売事業を展開し「@払い」の名称で自社サービスを構築していた株式会社ニッセン、両社の強みを生かした合併会社です。

@払いは商品到着後、全国のコンビニ・郵便局で支払いが可能。

最大の特徴はベリトランスの総合決済サービスと連携できること。通常は自社開発システムの場合には、カード決済システムとは別の開発が必要になりますが、ベリトランスとの連携することで、ベリトランスが提供するシステムをベースに後払い連携が可能になるので、開発工数も抑えられ、カード決済データの一元管理もできるようになります。

また、元々はニッセンが展開していた後払いサービスなので、通販事業者の経験を生かしたサポートも充実。自社内のコールセンターとサポートチームが用意されているため、加盟店と消費者どちらへのサポートにも対応しています。

連携サービスも豊富で、各種APIを利用することで登録作業を自動化できる「API連携」、CSVファイルで注文情報と発送情報を一括で登録できる「CSN連携」、管理画面から直接入力することのできる「直接入力」などとの連携も可能。

費用面は、初期費用無料。月額固定日は0円〜45,700円と取引額に応じて変化します。
なお、決済手数料は制度の高い与信審査によって業界再安置水準を実現していることも強みです。

EC通販に関して高いサポート力が欲しいと考えている事業者の方におすすめです。

atone

株式会社ネットプロテクションズが提供する後払い決済サービス「atone」。
同社が提供するサービスの中に「NP後払い」があり、同じ後払い決済であることから内容も類似しているものと思われがちですが、これらは別物。NP後払いはBtoC通販向け決済で、atoneはBtoC向け会員制決済となります。もっと分かりやすく言うと、NP後払いは事業者が通販サイトを立ち上げ消費者へ商品を販売する際に使用する決済で、atoneは事業者が通販や実店舗を運営している際に自店への会員登録をしている消費者へ向けたサービスを展開しているということになります。

atoneのメリットはクレジットカードの登録などが必要なく、電話番号認証ですぐ使用できるということ。アプリも提供しているので、支払い方法の変更やポイント利用、また利用金額を簡単に確認したり、QRコードを提示することで実店舗での後払いも可能となります。

ITFOReC(アイティフォレック)、cagolab.(カゴラボ)、ebisumart(エビスマート)等、8つのASPカート・ECパッケージと連携しており、これらの受注管理システムを利用している事業者の方は導入時の開発が不要になったり開発工数も軽減できるなどのメリットも。

料金は、状況に合わせて固定費なしのスタンダードプラン(月額固定費0円/決済手数料(非課税)2.9%)、固定費ありのプレミアムプラン(月額固定費48,000円(税抜)/決済手数料(非課税)1.9%)の2つのプレンから選択できます。

会員を多く持っている事業者や今後会員を元に事業を展開していこうと考えている事業者様にもおすすめの後払い決済サービスです。

クロネコ代金後払い

ヤマトグループの金融会社であるヤマトクレジットファイナンス株式会社が提供するBtoC通販向け後払い決済が、「クロネコ代金後払いサービス」です。
全国の主要コンビニ・郵便局で商品代金を後払いできるサービスで、ヤマトクレジットファイナンス株式会社が商品代金を購入店に対して立て替え払いを行った上で購入者に請求し、購入者はコンビニ支払い・郵便振替などの方法で商品代金を支払います。また、商品到着後、紙の請求書ではなくSMSとEメールで購入者へ支払い手続きメールを送信し、コンビニ等意外にもauかんたん決済やクレジットカード決済、クロネコペイなどでも支払いができるなど、スマートフォンでの支払いにも力を入れています。支払いは請求書発行から14日以内なので、タイミングの良い時に支払いできるのもメリットです。
しかしクロネコ代金後払いサービスは利用条件があり、ヤマトフィナンシャルとの宅急便コレクト契約が必要なので、配送を主にヤマト運輸に任せているという事業者様にかなり有利な後払いサービスでもあります。
料金は0円〜48,000円(税抜)で、入金も週払い、月2回〜6回払い、月払いなど豊富なのも魅力のひとつです。
連携サービスに関する情報はホームページに記載がないため、気になる方は一度問い合わせて見るのが良さそうです。

GMO後払い

「GMO後払い」とは、GMOペイメントサービス株式会社が提供している後払い決済サービス。商品を受け取り後、コンビニ、銀行、郵便局から支払いができます。

数々の大手企業も導入していることでも有名で、最近では人気ファッションECサイトで導入されたことも記憶に新しいのではないでしょうか。

GMO後払いの特徴として、取引情報の登録に、手動登録・CSVファイルによる一括登録・システム自動連携による登録と3つのパターンを用意しており、利用中のカートシステムや受注管理システムとの連携により、GMO後払い提供の管理画面を介さずとも利用が可能となります。また、GMO後払いはリアルタイム与信で、与信速度が速いのも魅力。従来は確認に約5分ほどかかることもあった与信ですが、リアルタイムにすることでお客様を待たせることなく決済へ進められ、購入前の離脱も防ぐことができます。

その他、請求書を圧着ハガキタイプと封書タイプから選べることなども特徴のひとつで、請求書同梱サービスを利用すると請求書を商品に同梱するために請求書発行費用の大幅削減も可能。

決済を導入する際に必ずチェックしておきたい料金面は、業界最低水準と安心の設定になっており、プランによって0円〜45,000円、決済手数料は2.7%〜4.7%、請求書発行手数料は封書型で180円、ハガキ型で150円です。立て替え払いの回数は、週払い、月1回、月2回と回数を選択できます。

大手企業へ導入していることから安心感も強いので、大手企業で得た経験などを生かしたプランを希望している事業者様におすすめです。

クロネコ掛け払い

「クロネコ掛け払い」とは、決済業務とリスクを引き受けるBtoB決済サービスです。現在導入企業は1,200社、累計利用者数は110万社超えと人気の掛け払いサービスでもあります。
そもそも掛け売りとは、商品やサービスを提供した時点で代金を受け取ることはなく、支払期日を決めて後日代金を回収すること。
企業間の信用問題も大事になってくる掛け売りですが、クロネコ掛け払いでは、例えばA社の商品やサービスをB社が購入したい場合、与信から請求書発行、集金、入金管理及び督促、未回収リスク保証までヤマトクレジットファイナンスが全て代行します。また上記のような特徴の他、初回取引からの売掛対応、最短5分という与信結果の速さ、小口案件や個人事業主にも対応などのメリットも。
料金(売り手企業)は、初期登録料・請求書発行費用が無料、月額管理料は0円〜10,000円、手数料はお取引額の2.0%〜5.0%、締め日は月末、精算日は翌々月5日となります。
実際に導入している企業からは「売掛金が100%回収できる」など高評価。延滞や貸し倒れ等のリスクが気になる企業、知名度があり安心感を得られるサービスを導入したいと考えている事業者様におすすめです。

後払い.com

「お買い物に究極の安心を」をテーマとしている、東証一部上場企業 スクロールグループの株式会社キャッチボールが提供する後払い決済代行サービス「後払い.com」。

「リアルタイム与信」「店舗審査も即日対応」などといった特徴がありますが、「与信審査に上限額なし」「土日祝日稼働の自社カスタマーセンター」「キャンセル時費用負担ゼロ」は業界唯一。後払い.comならではの対応力の高さが人気を呼び、現在利用継続率98%、導入実績20,000店舗以上と、大手企業を始めとして人気ECサイトも続々と導入しています。

購入者は商品到着後最寄りのコンビニ、銀行、郵便局で支払いが可能。商品の着荷確認が取れた取引の商品代金は後払い.comが100%立替え先払いなので、事業者の方も安心して利用できます。またCSV連携、自動(API)連携もあり、作業効率アップ!

商品到着後に届く請求書には後払い.comの役割や、購入店舗情報、請求金額、購入日、購入商品明細等大事な情報が記載されているので、購入者も安心して決済に進むことが出来ます。

料金面も比較的安価で、初期費用や解約費用は0円!利用プランは月額固定費0円〜45,000円まで4つのプランから選択可能です。

事業者だけでなく購入者も安心して利用できる後払い決済サービスなので、何よりも購入者の安心感を大事にした後払い決済サービスを導入したいと考えている事業者におすすめです。

Paid

EC、決済、保証事業などを展開している株式会社ラクーンフィナンシャルが展開する「Paid」は、EC販売から対面までどんな取引にも導入できるBtoB掛け売り(後払い)代行サービスです。
業界トップクラスの3,500社以上が導入しているPaidでは、反社チェックを含む与信管理から代金回収まで掛け売りの際に必要な請求業務を全て代行。もちろん、取引先が未払いだった場合にも代金を100%支払いしてくれます。

与信ではBtoBに特価した仕組みがあり、審査は初回だけ、限度額は取引実績に応じて上がるなど柔軟な対応をし、長年培ってきた審査ノウハウとデータに基づいてAI審査するなどといった工夫がされているのもメリット。他にも、条件が合えば最短即日、最大でも3営業日程度で開始できるなどの特徴もあります。
事業者の社内基幹システムやECサイトと連携できるAPI連携サービスもあるので、請求の自動化も可能。

初期費用、月額費用、請求書発行費用などが全て0円、保料料率は〜3.0%、支払い条件は毎月20日締め翌月25日払い or 毎月末締め翌々月5日払いと、低コストで運用できる点もPaidの強みです。

低コストで実績のあるサービスを導入したいと考えている事業者様はぜひ公式サイトをチェックしてみては。

まとめ

後払い決済サービスといってもたくさんありますが、それぞれに特徴なども異なってきますね。
キャッシュレス化になっているとはいえ、後払い決済サービスの需要はとても伸びています
上記を参考に「自社に本当に必要なことは何なのか」といったことを考えた上で、公式サイトを再度確認してみると良いでしょう。

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